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2005年06月12日

旭山動物園に想うその1(遅れていた動物園投資)

井の頭動物園を昨年(平成16年)、20年振り位で再訪問しました。何も変わらないまま時代を経過した空間がそこには広がっていました。昔ながらの動物舎、遊園地、それはそれでとても魅力的な風景が広がっていました。昭和24年にタイから寄贈された象のはな子さんがいることも彩を添えます。この象は上野動物園と各地の移動動物園を周った後、昭和29年に井の頭動物園に来ました。東京の子供を見続けた時代の生き証人ともいえるでしょう。親が子供を連れてきて見た象を今、子供が親になりまた子供に見せるのです。井の頭動物園は今でも小さい子供と行くなら十分に満足できるものだと思います。しかしながらそれ以上のニーズには応えられないということも事実です。

動物園の投資は30年程前には積極的に行われていました。それは特に希少種の動物舎においてそれは顕著でした。上野動物園のパンダは昭和47年に来日し爆発的なブームを引き起こします。パンダは日中国交回復の象徴としての意味が強く動物園の積極的な誘致ではありませんが各地の動物園に希少種を目玉にして観客増を計ろうとの意欲を与えたのです。名古屋で昭和59年に東山動物園にコアラが登場したのもその流れに乗ったものといえるでしょう。これらの園舎はその当時に建設された立派なものが現在も残っています。しかしながらそれ以外の動物の園舎はなおざりにされてきたのも事実で箱型の檻の展示がメインで今も基本的にはその時代の展示形式が大半では続いています。改めて東山動物園を例に取ると平成元年以降は爬虫類舎、メダカ館などが新規でオープンしていますがこれらは屋内展示の特殊施設で動物園の展示が既存のリニューアルではなく何か独自のものをという姿勢が優先された結果ともいえるでしょう。また東山のような大型動物園ではこの様な投資は行われましたがそれ以外の地方の動物園はそんなことは全く行われず放置されてしまったのです。

平成元年以後に顕著だったのは公共都市型水族館への投資です。大阪では平成2年に海遊館、東京では平成3年に品川水族館、平成4年には名古屋港水族館と大型の水族館が次々にオープンしました。これらの施設は投資額、維持費とも大きくバブルの影響を色濃く受けたものです。これらの施設におされて行楽地のイルカショーのなどを行う民間を主体とする水族館は観客も減少し投資が滞る状態になり、一部の施設は閉館に追い込まれるところもありました。そんな中、行楽地型水族館でも積極的な投資を行った施設は幾つかあり、平成2年にリニューアルオープンした鳥羽水族館はその代表例でしょう。平成元年以降しばらくの間はこれらの水族館ばかりが注目され、動物園が軽んじられた時代であったのかもしれません。

動物園併設型の遊園地も動物園を中途半端な存在にしてしまった源のひとつでしょう。小さな遊園地は動物園には必須の施設として当初は人気を博しましたが遊園地専業の施設とは違いやはり小さい子供を連れて楽しむという以上のものにはなりえません。遊園地専業の施設は絶叫マシーンを中心に平成元年以降も拡大していきました。地方にリゾート施設が乱立したのもこの時でそれらの多くは需要の見込み違いにより閑古鳥が鳴き閉鎖に至りました。そんな中、動物園の遊園地は施設自体が公共施設であり多大な投資額で負債を負うような性格のものではなく維持経費もそんなに過大にはならなかったため閉鎖されることもなく今もそのまま営業を続けている所が多いのです。

今まで述べてきた一般的な動物園像に旭山動物園はしっかり当てはまる状態でした。投資はほとんど行われず一時は閉鎖の検討もされていたのです。そんな中で動物園とそれを支える人の必死な努力により再投資が行われることになり平成9年にこども牧場がオープンしました。そしてその後継続的に毎年投資が行われることにより新施設が次々にオープンしていきます。平成11年さる山、平成12年ぺんぎん館、平成13年オラウータン舎と毎年話題を作ることにより入場者数は飛躍的に増大しました。そしてブームがブームを呼ぶ形になったのが平成16年は年間で145万人の入場者数となったのです。

平成16年の入場者数はブーム過熱気味の雰囲気がかなりあったものの一時は危機に直面した動物園がここまで成長したことは驚くべき事態といえるでしょう。成長の理由は様々な説明がされていますが他の動物園が投資をしない中であえて投資をしたということ。そしてそれが一時的ではなく継続的に行われたことにあるのだと思います。その投資は行動展示という言葉で語られるような新しい動物の展示方法に取り組み、来場者に対し深い感銘を与えたのです。

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Posted by きたたび at 01:09│Comments(3)論説
この記事へのコメント
論点はずれるかもしれませんが、網一つ「見る側の勘違い」もありそうな気がします。
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/asahiyamazoo/zoo/genntyann/owabi.html
Posted by ゲスト at 2005年06月19日 10:17
TBありがとうございました。上記されています様に動物園の経営大変なんですよね。ウチも子供いるので動物園・水族館等に目を向けていただける様ブログで紹介している次第です(それと私大学で生物学専攻なもので)。北海道良いところですよね(ご苦労もあるかとは思いますが)。今度道東に旅行したいと思っていますのでオススメがありましたら御紹介願えませんでしょうか?ロイズのポテトチップチョコレートは微妙な味ですね。塩味にチョコですから。最近ロッテの旨味モナカ食べたのですが、モナカに岩塩が振りかけてるんです。旨いとは思えませんでした。
Posted by ゲスト at 2005年06月19日 13:56
動物園というのは観客に見せることは当然のことながらたいへん重要ですが動物に対して強いることはどこまでが許されるのか、その程度をどこに定めるかは難しい問題です。純民間の施設の一部にはこれはむごいなあいうところもありますからね。

>ロイズポテチ
癖になるような味ではないのに長寿のお土産として成立するのか興味深く眺めています。

>道東旅行
メインサイトの掲示板にも是非お立ち寄りください。ちなみに私は静岡在住です‥。
http://bbs1.nazca.co.jp/1/hamaton/
Posted by きたたび at 2005年06月19日 17:55
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